戦略的思考は岐阜県の海外プロモーションに学べ!
洗練された戦略によってインバウンド旅行者の取り込みに成功した岐阜県。
2016年6月9日のプレジデントオンラインに、その岐阜県の海外プロモーションに関する記事がありましたので紹介します。
いかに岐阜県が戦略的にインバウンドの取り込みに注力してきたかが、この記事から読み取れます。
そもそも高山や白川郷など貴重な観光資源を持っていたことは売り込む上で大きなプラスだったとは思います。しかしそれに加えて戦略的な海外マーケティングによって、「空港も港もない」というアクセスの悪さをカバーし訪日客の「新ゴールデンルート」を開拓するに至ったのは見事ですよね。
関西空港から、金沢、白川郷、高山と回り、富士山経由で東京に入り、成田空港から発つ「新ゴールデンルート」の存在は知っていましたが、勝手に人が集まってきたのではなく、これだけの自治体の努力があったというのは正直知りませんでした。
従来のゴールデンルート(東京から富士山を経由して、京都、大阪へ行くコース、日程に余裕があれば広島)に飽きた旅行者が開拓していったものかと思ってましたが(;´・ω・)、永きにわたる営業活動があったからこそだったんですね。
その海外プロモーションの中で個人的に目を見張ったのは
①長期的視点
②ネット対応での個人旅行者の取り込み
③明確な目的と意志
といった点です。
①長期的視点
岐阜県の海外戦略の大きな特徴は、誰もが中国、韓国、台湾などに目を向けていた時期に、将来的な成長を見越し、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアなど東南アジア諸国に先手を打って出ていったことだ。
インドネシアのテレビに紹介してもらったり、シンガポールのセレクトショップと提携して岐阜フェアを開催したりと、東南アジアにいち早く目を向けたのは長期的視点があったからこそ。「爆買いが流行っているから中国にもっと目を向けるぞ」といった後手の対応からは一線を画していますね。
②ネット対応での個人客の取り込み
エクスペディアとマレーシアの格安航空会社エアアジアの合弁会社エアアジア エクスペディア(AAE)と提携。航空券と県内宿泊をセットにした個人客向け格安パッケージをつくってもらうと、共同出資でメディアミックスの広報宣伝を大々的に行った。
有力ブロガーを季節ごとに岐阜に招いては、彼らの目線で情報発信してもらった。中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」の活用にもいち早く着手。
ネット上で全ての手配を済ませてしまう個人客を取り込むための工夫。「微博(ウェイボ)」にいち早く着手してしまうところなんかは、常識にとらわれず時代の流れを読んでいる気がします。
③明確な目的と意志
岐阜県の海外戦略には「交流人口を増やし、人口減少社会を乗り切る」という目的がある。
何といってもこのような目的があること、そしてそれを達成できると信じられる強い意志があるからこその成功なのかなと。近い将来、率先して移民の受け入れとか奨励していきそうですね(もうしてるのかな?)。
記事の最後にも書いてあったように、このような取り組みによって成功した岐阜県が地方再生のモデルになるかもしれませんね。個人レベルでも勉強になります。