インセンティブは逆効果? - 「今日のTED」
ビジネスにおいてインセンティブを与えるというのは非常に一般的ですよね。仕事の成果や営業成績に応じて報酬が与えられる。インセンティブの目的は社員の動機付けであり、収入が上がるなら頑張ろうと、社員のモチベーションが上がるのを期待しているはずです。
しかし、そのインセンティブがどうやら逆効果であると説いているのが今日紹介するTEDトークです。
ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」 | TED Talk | TED.com
インセンティブが効果を発揮する場合と発揮しない場合があると紹介されており、どう分けられているのかというと、
効果あり:機械的・左脳的 比較的単純な仕事
逆効果:創造的・右脳的 複雑な問題に取り組む仕事
ということ。「ロウソク問題」を例に取り上げて説明されていましたが、言われてみればそのような事実も何となく腑に落ちるところがあります。
インセンティブを与えると視野が狭くなるので、単純な問題を解く場合には効果的というのはまさにその通りと思います。一定の質で数をこなせばいいということになれば、インセンティブによって成果は上がるでしょう。
一方、インセンティブがあると、それによって与えられた閾値を超えること自体が目的となってしまい、本質を見失ってしまうというか・・・。そこさえ超えればもういいかという気持ちになってしまうのも事実です。実際私もそのような経験がありますし。
トークの最後には、
高いパフォーマンスの秘訣は報酬と罰ではなく、見えない内的な意欲にあります。自分自身のためにやるという意欲。それが重要なことだからやるという意欲。
それをAutonomy(自主性)という言葉で表している通り、報酬によって縛られるのではなく、自ら動くということが動機付けになるのだと思います。
オーストラリアのAtlassianという会社が社員に与える「好きに使っていい」24時間、Googleが社員に与える1日「20パーセントの自分の時間」など、取り組む問題が複雑で創造力が必要だからこそ、「自主性」を重んじて動機付けを図っているわけですね。
どうやって動機付けを行うかは、その仕事の内容に応じてやり方を変えた方が良さそうです。