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破天荒な海外生活ブログ

ニュージーランド、オーストラリア、そしてカナダ。転々と放浪中

人生を複線化することはリスクヘッジである

ブログマラソン340日目。

 

人生を複線化すること、つまり仕事・経済力だけを人生の価値の指標にするのではなく、働いている会社・組織以外にも心の拠り所を見つけることが重要であるというお話です。

 

そもそもの情報源は、バンクーバーの図書館で見つけた『池上彰の教養のススメ』です。東京工業大学リベラルアーツセンターの教授同士の対談形式で、「教養」を身につけることが重要であるということについて話されています。

池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

 

 

歴史や哲学、生物学、宗教など幅広いテーマで教養について語っているわけですが、本記事はその中の宗教のテーマで語られていた「人生を複線化すること」について取り上げます。

 

本書の中で、子供が熱を出したから仕事を休むスリランカのお父さんの例を取り上げており、そのことに関して日本のお父さんについて、

 

日本のお父さんはそんなとき、普段通りに仕事をして、その代わり週末にゲームソフトの1本も買ってやる、という方法をとるでしょう。会社により沿った単線化した道で対処する。でも、スリランカのお父さんは、子供が熱を出したときに「大丈夫か」と看病してくれる。子供ってそういうことを案外覚えている。万が一、このお父さんがリストラされて家にいても、自分が困っていたときに助けてくれたお父さんを邪険には扱わない。今度は自分が助けようという発想になるはずです。

(中略)

家の中でも結局経済力だけがお父さんの価値の指標になっているんです。つまり単線化しているということなんですね。だからリストラされた父親は二重にも三重にも自分を無価値だと感じてしまう。

 

と述べています。仕事だけでなく家庭という価値にも優先順位を置けるスリランカのお父さんと、仕事が人生の全てと見てしまう日本のお父さん。まさに仕事一辺倒の日本の現状ですよね。仕事一本でやってきた人が定年退職した後何をしていいか分からないという話はよく聞きます。

 

それでも高度経済モデルが機能していた頃は同じ会社で定年まで勤め上げ、退職金と年金で老後を暮らすという安定した生活が保障されるケースはたくさんあったとは思いますが、終身雇用なんて保障されない今の時代、1つの会社・組織に依存してしまうことは極めて危険なんですよね。

 

その中で、人生を複線化するための1つとして宗教がその役割を果たすという話が出てきます。経済成長が目覚ましいタイを例に取り上げて、

 

経済的に成功しよう。それがタイの社会に通っている一本の線だとします。ところが、タイにはもう1本、線が通っているのです。人生は徳を高めるためにあり、来世には徳を積んでよりよい人生に転生したい。つまり宗教的な人生観が生きている。タイの社会は、2本のよりどころがある複線社会なんですね、経済と宗教という。

 

 一方、日本では高度経済成長期に会社という強固な共同体が力を増し、伝統的な日本の宗教が存在感を失い、仕事・お金儲けこそ心のよりどころ、と単線化してしまったとのこと。

 

もちろん複線化する要素は宗教だけではないはずで、国家・社会として複線化がなされてなくても、個人レベルで人生を複線化することはできるはずです。会社とか宗教とか大きなものでなくても、趣味でもなんでも小さなことでも、仕事とは別に心のよりどころを持っておくが大切ですよね。だからこそ「教養」を身につけましょうというのが本書の主旨なわけですが。

 

私自身、仕事を探している段階なので今は無職です。もちろんこれから何らかの仕事を見つけられるという確信は持ってはいますが、やっぱり無職の状況ってすごく不安なんですよ。それがもう2か月半にも渡って続いているものだから、日に日に「俺何やってんだろ?」という想いが湧いてきてしまいます。

 

それでもこうやってブログを書いているだけでも、精神的な支えになっている一面はあるんですよね。宗教のように大きなものではありませんが、仕事を全くしていない現状の自分が外部に対して情報を発信しているというだけで「何もしていない自分」とは一線を画すことができています。少なくとも何かやっているぞ、と。毎日仕事探しだけをしていたら、ちょっと頭おかしくなっていたかもしれません。

 

このように小さなことでも心のよりどころを確保できているため、読書や英語の勉強も捗ります。私にとって仕事は大事だし、早く仕事がしたいという気持ちで溢れています。一方で、将来仕事一辺倒の人間にならないよう、幅広い知識や考え方を身につけて自分の人生に対してリスクヘッジできればなぁとも考えています。

 

また本書には他にも面白い対談が掲載されていたので、後日改めて紹介します。

 

「今日のTED」

ジョー・ゲビア: Airbnbの成功の裏にある信頼のためのデザイン | TED Talk | TED.com

www.ted.com

 

日本でも既に有名になっている民泊を貸し出す人向けのウェブサイトを運営するAirbnb。その創業者の1人であるジョー・ゲビア氏によるプレゼンです。

 

世界192カ国の33,000の都市で80万以上の宿を提供している。

Airbnb - Wikipedia

 

とあるように、今やAirbnbはとてつもない規模になっています。ちょっとした自己の体験から短期間でこれだけの規模のビジネスにしてしまったということに対しては素直に感動してしまいますね。

 

全く知らない人を自分の家に泊める。「Stranger = Danger」とも出てきたように、見知らぬ人を家に泊めるなんて危険でありリスクであり、それは当然日本でも共通認識です。

 

それでも、その見知らぬ人を泊めることがビジネスになった。その成功の要因こそが「信頼」を勝ち取るためのデザインであり、ゲストとホストがお互いに評価し合うレビューの制度です。

 

Airbnbでは自分のプロフィールを登録する必要があり、ゲストが宿泊希望をしてきた場合、ホストはそのゲストのプロフィールを見ることができます。やはり人は自分と似ている人の方が一緒にいて心地よいので、プロフィールに自分との共通性がより多くあった方がそのゲストを受け入れる確率が高いそうです。

 

もちろんそんなことでは、受け入れ率は非常に低くビジネスにはなりません。そこで導入したのがレビューの制度。1-3個程度のレビューではあまり変化は無いようですが、10個以上のレビューがあると一気に受け入れ率が変わるんだそうです。直感的にうなずけますよね。

 

プレゼンの中にも「High reputation beats high similarity(高い評価は高い類似性を上回る)」と出てきたように、自分と共通性があるという評価基準ではなく、これまでのゲストの評価が新しい基準になったことで、受け入れる確率が高くなったわけです。レビューが評価基準になるとすると、ホスト側としては良いサービスを心がけようとするし、ゲスト側としては良い振る舞いを心がけるようになり、良い循環が生まれます。

 

似たようなことをやっているサイトがある中で、Airbnbは見事に差別化をしてみせました。私自身もオーストラリアのメルボルンにいた頃はホストとしてもゲストとしても利用したことがありますが、やはり普通のホステルやホテルでは決して得られない貴重な経験ができます。評価の高いレビューがたくさんあれば気軽に予約してみようと思えるし、自分も評価される側になるので良い振る舞いをしようと心がけるようになります(別にホテルで悪い振る舞いをしているわけではありませんよ(^^;)。

 

Airbnbを始めとするいわゆる「民泊」は、日本では旅館業法に触れなくなるような法規制の緩和を検討している段階だとは思います。しかし今後のインバウンド需要の期待を考えると、きっと緩和の方向へ向かうのでしょう。今後も期待ですね。

 

下記の記事も参考まで。

 

goodman-australia.hatenablog.com

 

goodman-australia.hatenablog.com