ブログマラソン213日目 - 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 英語版は英語の読み物としておすすめ
ブログマラソン213日目。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 英語版は英語の読み物としておすすめ
先日ブログに書いた通り、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の英訳である
『Colorless Tsukuru Tazaki and the year of his pilgrimage』を読みました。
goodman-australia.hatenablog.com
今回はあくまでも「英語の読み物」としてのレビューです。
今まで村上作品は何作か英語で読んだことがありますが、その中でも本作はかなり読みやすい部類に入ります。今回は初めて原作を読まない状態で臨みましたが、特に問題なく読み進めることができました。内容を事前に知らなかったからこそ楽しめたという部分もあるかもしれません。
ただ私は面倒くさがりなので、知らない単語が出てきたら華麗に無視していました(笑)。そのせいで細かい部分で分からない箇所はあったとは思いますが、全体の物語を追う上では問題ありませんでした。
毎度英語版を読んでいて面白いのは、言語が違っても村上春樹は村上春樹だということ。著者の作風をそのまま表現できているのは、翻訳者の能力に依るところが大きいと思います。この英語版が原作であったとしても、何ら違和感が無いと思える感覚。著者の独特の表現が英語でも堪能できること(人によって好き嫌いはあれど)は、何とも不思議な体験です。
村上作品はほぼ全ての作品が英訳されているので、もちろん他の英訳版でも同じく村上ワールドが表現されています。参考までに、私が今まで読んだ英訳版を以前の私のブログから転載してみます。大型書店であれば簡単に見つかるでしょうし、もちろんアマゾンで購入可能です。ぜひぜひ手に取ってみていただければと思います。
・「走ることについて語るときに僕の語ること(What I talk about when I talk about running)」
村上氏エッセイの英訳版。この作品は日本にいるときに購入し、オーディオブックも持っています。そこまで長くなく、村上作品の中では断然読みやすいです。オーディオブックはリスニングにも有効なので、非常に重宝しています。小説と違って最初から最後まで順番通りに読む必要が無いというのも、読みやすい要素の一つです。村上ファンで、ランニング好きであれば少なくとも日本語版は必読。
・「海辺のカフカ(Kafka on the Shore)」
一番好きな作品なので読みやすかったです。それでも単語が難しいので、辞書は必須。推測だけでは無理がありました。物語が長いので、読み切るのに2か月弱かかってしまいましたが、純粋に作品を楽しむことが出来ました。
・「国境の南、太陽の西(South of the Border, West of the Sun)」
この作品も読みやすい部類ではないかと思います。比較的短めの作品なので、2週間程度で完読。なるべく辞書使わずに読み進めましたが、やはりところどころ調べざるを得ませんでした。「海辺のカフカ」ほどの面白さはありませんが、日本語で読んだことがあれば、十分読み切れるのではないかと思います。
・「ねじまき鳥クロニクル(The Wind-up Bird Chronicle)」 途中で挫折
長編小説の泣き所なのが、必ず物語の中に退屈な個所が存在するということ。日本語で読んでも大変なのに、それを英語でっていうのはやはりきついです。物語の半ば、退屈な個所に突入してそのまま挫折しました。
・「1Q84(邦題に同じ)」 途中で挫折
長い、厚い、重い(笑)。「海辺のカフカ」に並んで好きな作品ではあるのですが、とにかく長すぎる。日本語版だとハードカバー3冊(文庫本6冊)に分かれて出版されていますが、英訳版は物凄く分厚いハードカバー1冊で、900ページを超えています(笑)。重くて持ち運ぶのも嫌だったし、返却期限までに読み切るのは不可能と判断し、やはり挫折しました。それでも途中までは楽しく読めたので、機会があればリベンジしたいです。というか、せめて2冊に分けて欲しい。
・「羊をめぐる冒険(A Wild Sheep Chase)」 途中で挫折
ずっと挫折続きだったので、その流れに乗って挫折しました(笑)。