破天荒な海外生活ブログ

ニュージーランド、オーストラリア、そしてカナダ。転々と放浪中

過去の体験シリーズ第3弾 - しまなみ海道100kmマラソン

ランニングを始めるようになって、長距離を走れることが楽しいと感じ始めた頃、次第にランニング大会にも出てみたいという欲求が湧いてきました。2010年1月に10kmレースに出て、これが初めての大会でした。その2か月後にはハーフマラソンを完走。その後も定期的に10kmとハーフマラソンに出場しながら、同年10月に下関マラソンで初めて42.195kmを完走しました。

 

同じ部署内にも頻繁に大会に出場しているランナーの人がたくさんいて、しかも多くの人が100kmマラソンを走ったことがあるというのです。通常、フルマラソン、つまり42.195kmを超える大会はウルトラマラソンと呼ばれており、100kmが最もポピュラーな距離かと思いますが、他にも50kmや70km、あるいは数百キロにも及ぶ距離を数日かけて走る苛酷なレースも存在します。

 

ある程度の距離を苦も無く走れるようになると、もっと距離を伸ばしたいという気持ちが強くなってきます。さすがに現時点では200、300kmを超えるようなレースに出場したいという気持ちはありませんが、フルを初めて完走いた後、どうしても100kmをいつか走って見たいという気持ちが募ってきました。それはやはり身近に完走したことがある人がたくさんいたことが、私に大きな影響を及ぼしたと思っています。

 

標題にあるしまなみ海道100kmマラソン、正式名称は「しまなみ海道ウルトラト遠足(とおあし)」。この大会で自身初の100kmを完走することになったわけですが、大会に出場したのは2012年でした。ランニングを始めたのが2009年なので、約3年間で達成したことになります。しかし、実をいうと、こんなに早く100mを走るとは当時全く思ってもみませんでした。「いつか出たい」とは思いながらも、当時の自分には無理だと最初から諦めており、もっと走れるようになってからにしようと考えていたわけです。

 

そんな気持ちだったのにも関わらず、100kmに出場する気になったのは友人との何気ないメールのやり取りがきっかけでした。2011年の12月、真冬でかなり寒くなってきていた時期。ふとその友人に「最近あまり走れてない」というメールを送ると、「寒いもんね」という返事。何てことの無い普通の会話ですが、その時ふと思ってしまったのです。「あぁ、俺は寒いというだけで走ってないんだな」、と。仕事は忙しくても実際に走る時間は確かにありました。それでも「今日は寒いからいいか」とか、「今日は雨降ってるしな」と、何かと走らない理由を見つけてはランニングをさぼっている自分に気づいてしまったのです。気づいたというよりは、今まで見て見ぬふりをしていただけという方が正しいです。友人から実際に「寒いもんね」と言われたときに、自分は何て情けないのだろうと、それまでランニングをさぼってた自分に嫌気が差したと同時に、何とかしなくてはいけない、何か変えなきゃいけない、という思いが強くなりました。

 

結局、その会話の直後に居ても立ってもいられず、その場で2011年6月開催のしまなみ海道100kmマラソンの参加登録をしました。自分の中で大きな目標を作りたかったのです。もう一度フルマラソンを走るというのでは、普通過ぎてモチベーションが上がらない可能性もあるし、タイムを縮めるよりは、長い距離を走ることの方に興味を持っていたので、いつかいつかと考えていた100kmに挑戦しようと思ったわけです。

 

結果的にこの決断は吉となり、自分を奮い立たせてランニング習慣を再開するきっかけとなりました。少し無理をし過ぎて大会直前の練習が思うようにいかなかったのですが、当日は怪我も無く、無事100kmを完走することができました。

 

このブログのタイトルにもつけたように、「思い付き」というのは凄く大事なことだと思っていますが、何よりもその「思い付き」をすぐに行動に結びつけてこそ、その思い付いたことが実を結ぶことになると思うのです。あのとき、100kmに挑戦するということを思い付かなければ、それまで通り「いつか出たい」という気持ちのまま終わっていたと思います。そして、思い付いた後すぐに参加登録をしなければ、練習時間が少ないから次の年にしよう、とかどんどん先延ばしにしていたかもしれません。もちろんランニングを始めてすぐの人が100kmに挑戦するというのはいくらなんでも無謀なので、挑戦する意味はありません。しかし、もう少し頑張れば出来るというところまで来ているにも関わらず、その挑戦を先延ばしにするのはやはり勿体無いと思っています。当日は50km地点を超えた後は大半の距離を歩いてしまったので、参加するのはやはり時期尚早だったのかもしれませんが、私としては完走出来たことそのこと自体に大きな満足感と達成感を感じることができました。なので、あの時の決断は今でも間違っていなかったと思っているし、やってみれば何とかなるんだということを知ることが出来たことが何よりの財産かと思っています。

 

以上、社会人になってから留学するまでの間の、自分にとって大きな意味を持つ経験を3回に渡って書かせてもらいました。これらに共通することは「決断が人生を変える」のだということ。そして、これら3つの経験も、やる前までは到底出来ないだろうと思っていたし、私にとっては夢物語のような経験だと思っていたわけです。それでも、決断をした時点で「きっと出来る」という気持ちに変わり、実際にやってみると出来たわけです。当然それまでの過程である程度の努力があったわけですが、次のステップを踏むための「決断」が出来れば、自分の中で必ず何かの変化が起こります。

 

ただ悲しいことに、そういった気持ちを時々忘れてしまいがちなので、色々なことに挑戦してみるということが如何に大事かを再認識して、また刺激のある生活にしていきたいです。